代表挨拶

乳がんを皆で知り、やさしく支え合い、共に生きる

 私たちは、乳がんについて、どのくらい「知る」必要があるのでしょうか?
 私は、乳がんに関する臨床や研究を通して、乳がんという疾患の奥深さを知り、まだまだ普及されていない情報が多くあることを知り、乳がんについて「知る」ことの大切さを感じ、この活動を始めました。

 あらゆる立場の人が、様々な視点で、乳がんの情報を求めています。
 乳がんにかかっていない方にとっては、乳がんは検診で指摘されるか、自分で見つけることが多いため、病院にかかる前から乳がんに関する情報を「知る」ことが大切です。
 乳がんにかかっている方にとっては、今の診断や治療について、病院では聞ききれなかったこと、もっと知りたかった、理解できたなかったことなどあるかもしれません。適切な治療選択のために、乳がんについて「知る」ことは言うまでもありません。
 さらに、乳がんは日本人女性の9人に1人が生涯のうちにかかる疾患です。身の周りに乳がんの方は多いです。社会全体で乳がんについて「知る」ことで、乳がんにかかった人を優しく支え合える社会を目指すことが求められています。

 このように、あらゆる人が乳がんの情報を求めているので、乳がんに関する情報はすでにインターネット上に溢れています。インターネット上には、分かりやすい情報から難しい情報まで、科学的に正しいと言えない情報から正しい情報まで、玉石混淆の様々な乳がんの情報があります。誰もが求めているのは、誰にでも簡単にアクセスでき、誰にでも分かりやすく、信頼できる乳がんの情報です。

 BC Tubeでは、2020年7月からYouTubeチャンネル「乳がん大事典【BC Tube編集部】」で乳がんに関する情報発信を始めました。複数人の乳腺外科医が関与することで、科学的な客観性を担保し、YouTube投稿前に非医療者によるチェックを通して、分かりやすさを可能な限り、実現しています。多くの方々にとって、乳がんについて知る際のきっかけになってほしいという願いを込めて、動画を作っています。
 今後、誰にでも分かりやすい乳がんの情報を目指して、ご覧になって頂いた方のご意見などを取り入れることによって、より多くの人にとって、分かりやすい動画を作っていく予定です。さらに、信頼できる情報であることを維持するために、より多くの乳がんに関わる医療者・研究者にご協力を仰ぎ、透明性の高い組織を構築していきます。

 誰にとっても乳がんについて「知る」ことが簡単になるように、乳がん診療に携わる医療者と人々をつなげる、乳がん情報発信のプラットフォームとなることが、BC Tubeの使命です。「乳がんを皆で知り、やさしく支え合い、共に生きる」社会を目指して、これからも活動していきたいです。

一般社団法人 BC Tube 代表 伏見 淳